ページのまとめ
  • 株価に対して、一株当たりの配当金がどれだけもらえるのかを示したのが配当利回り
  • お金に換算できる株主優待品なら、優待利回りを求めることもできる
  • 配当利回りが高い銘柄は、比較的株価が下がりにくい

配当利回りとは

配当金や株主優待を目当てに株式投資をする人は、「配当利回り」「株主優待利回り」について知っておかなければなりません。

配当利回りとは、株価に対して配当金がどれくらい受け取れるかという割合を表します。配当金は、銘柄によって年に1~4回もらえますが、通常は年間の合計額で計算します。

  • 配当利回り=1株当たり配当金(年間合計)÷株価×100(%)

たとえば、一株当たりの配当金が年間15円、株価が500円であれば、15円÷500円×100で、配当利回りは3%となります。配当金は1株単位で、持ち株数に比例し出されますので、何株持っていても、配当利回りはかわりません。

株主優待も「利回り」が計算できる場合もある

また、最近では、株主優待がブームなので「優待利回り」や、「総合利回り(配当利回り+優待利回り)」といった指標が用いられることもあります。

株主優待品の中には、商品券、クオカード、商品割引券のように、金額に換算しやすいものがあります。こういった株主優待の場合、配当利回りと同じ計算方法で利回りを出すことができます。

  • 株主優待利回り=株主優待品の金額(年間合計)÷単元株数の購入価格×100(%)

たとえば、株主優待として1000円の商品券を年に2回配布しており、単元株数100株で、株価が500円の銘柄(購入価格は5万円)の場合、
2000円÷5万円×100=4%が優待利回りとなります。

さらに、配当利回りと株主優待利回りを足した合計を「総合利回り」とする場合もあります。

  • 総合利回り=配当利回り+株主優待利回り

配当利回りが3%、優待利回りが4%なら、総合利回りは7%になります。

なお、株主優待品の中には、ノベルティグッズのように、金銭に換算することが難しいものもあります。そのような優待品の場合は、利回りを出すことはできません。

配当利回りの目安と注意点

配当利回りは、1株当たり配当金(年間合計)÷株価×100(%)という計算なので、一株当たりの配当金が変わらないままだとすると、株価が上がれば配当利回りは下がり、株価が下がれば配当利回りは上がります。株価は毎日動いているので、配当利回りも毎日変わっています(優待利回りも同様です)。

高い配当利回りの銘柄は、株価が下がることでさらに配当利回り上がります。そうすると、配当金目当ての買いが増えます。そのため、配当利回りの高い銘柄は、株価の下値に対する抵抗(株価が下がりにくくなる)が強くなります。

だいたいの目安として、配当利回りが5%を超えるようであれば、「高配当銘柄」として注目を浴びるでしょう。もし5%を超える配当利回りであれば、そこからさらに大きく株価が下げる可能性は低いと考えられます。なお、東証1部の平均配当利回りは1.5~1.6%前後です(2014年8月現在)。

高配当の銘柄を探すには、スクリーニングをしてもいいですが、それよりもヤフーファイナンスやネット証券の「ランキング」機能を使った方が簡単です。「配当利回りランキング」を見れば、配当利回りの高い順に銘柄のリストが表示されます。

ヤフーファイナンス「配当利回りランキング

ただし、逆にいうと、こういった銘柄の株価が上がると、配当利回りは下がります。そのため、配当目当てでの人気が落ちるので、株価が上がりにくくなります。

つまり、高配当の銘柄は、株価が下がりにくい反面上がりにくいということで、株価の動きが比較的穏やか、ということができます。

期末をまたいだ「配当金落ち」に注意

配当金は、期末の株主に対してのみ支払われます。そのため、期末の権利確定日をはさんだ2日間だけ株を持っていても、配当金はもらえます。もし株価が変わらなければ、短期間で配当金がもらえるのでトクな感じがしますが、実際には、権利確定日を超えると、配当金の分と同じ程度かそれ以上、株価が下がることが一般的です。これを「配当落ち」と呼びます。下図は、配当利回り約5%と高配当のクリップコーポレーションという銘柄のチャートですが、3月期末にはっきりとした配当落ちを見せています。

配当利回り約5%と高配当のクリップコーポレーション 配当落ち

配当落ちは、いずれ埋められますので、長期保有するのであれば気にする必要はありませんが、数週間程度の短期売買を考えている場合、期末が近いタイミングでの購入には、注意が必要です。

株主優待は持ち株数に比例してもらえるわけではない

株主優待目当てで投資する場合の注意点ですが、通常、株主優待は、単元株数をもっていれば1品、というような配布になります。たとえば、100株(単元株)の株主に、1000円の商品券2枚、といった具合です。

そして、単元株数より多くの株数をもっていても、それに正比例して多くの優待品がもらえるわけではありません。上の例でいうと、200株を持っていても、もらえるのは同じ1000円の商品券2枚、ということです。そのため、優待がもらえる最低単元以上の株数を買うと、利回りは下がります。

ただし、中には、ある程度大きな単元株数(10単元以上など)を持っていると、優待品が増えるという場合もあります。以下のようなケースです。

  • 100株保有の株主は1000円の商品券2枚
  • 1000株以上保有の株主は、1000円の商品券4枚

いずれにしても所有株数に比例して優待品が多くもらえるわけではありません。ここが配当金とちがう点です。配当金は一株当たりで計算されるため、持っている株数に比例してもらえます。

一般的には、株主優待狙いの場合は、最低単元(100株など)だけを保有するのが、もっとも効率がよくなります。