ページのまとめ
  • 市場全体の波に乗る方法のひとつが市場連動型のETFを売買すること
  • 市場連動型ETFの代表は、日経平均連動型と、TOPIX連動型
  • TOPIX連動型の方が、コストが若干低い

市場全体の波に乗るための銘柄には2種類がある

初心者へのおすすめ投資(1)株式市場全体の波に乗る」で、市場全体の大きな波に乗って、売買するのが簡単でおすすめだと説明しました。

そういう方法で投資をしたい場合、独自の動きで上がりそうな銘柄を選ぶのではなく、市場全体の動きに連動するような銘柄を選ばなければなりません。これには、次の2つの方法があります。

  • (1)市場連動型のETF(上場投資信託)を買う
  • (2)「ベータ値」を参考にして、市場全体との連動性が特に高い銘柄を選ぶ

(1)市場連動型ETFとは

確実に市場全体を買うには、この方法が適しています。ETFは、株式市場に上場されている投資信託であり、厳密には株ではありません。しかし、トピックス連動型、日経平均連動型といった、市場連動型ETFであれば、文字通り市場全体の動きに連動するような株で構成された投資信託なので、市場全体の動きとのズレは、きわめて小さいものとなっています。

たとえば、日経平均連動型ETFなら、日経平均が1%上昇したら、ETFもほぼ1%上昇しますし、日経平均が2%下落したら、日経平均型のETFもほぼ2%下落します。

さらに、日経平均やTOPIXの動きの2倍、3倍といった倍率をかけた動きになるように設定されたレバレッジ型EFTもあり、人気を呼んでいます。

たとえば、日経平均が1%値上がりしたなら、2%値上がりし、日経平均が2%下落したら、ほぼ4%下落する、という具合に設定されているものです。

なれてきたら、こういったETFにトライしてみるのも一法です。

ETFの売買とコスト

ETFは上場商品ですので、株と同じようにどこの証券会社でも売買できます。また、株と同様に、指値注文や成り行き注文で売買でき、売買手数料も株と同じです。

ただし、ETFは投資信託であるため、投資信託を運用管理するための信託報酬などのコストがかかります。このコストは、売買手数料のように目に見える形で徴収されるのではなく、ETF価格の値上がり分から差し引く形で徴収されます。

たとえば、代表的な日経平均連動型ETFである「ダイワ上場投信 日経225」は、信託報酬は0.22%(税抜、年間)です。もし、このETFの価格が10000円であるとしたら、1年間で22円分だけそこから引かれて、9978円になる、ということです(実際はこのようにまとめて引かれるのではなく、毎日少しずつ引かれます)

<日経平均連動型ETFの一例 2014年8月現在>
名称 管理会社 信託報酬(年間)
ダイワ 上場投信-日経225 大和証券 0.22%
上場インデックスファンド225 SMBC日興証券 0.225%

トピックス連動型の方が、わずかに有利

また、ここで覚えておきたいポイントとして、市場全体に連動するETFの代表には、「日経平均連動型」と「TOPIX連動型」があります。値動きはほとんど同じですが、信託報酬という手数料は、TOPIX連動型の方が低い場合があることです。

たとえば、「ダイワ上場投信 日経225」は、信託報酬が0.22%(税抜、年間)であるのに対して、同じ会社が運用している「ダイワ上場投信 トピックス」は、0.11%(同)になっています。

もちろん、どちらも市場全体に連動するので、どちらの方がより高くなるといった違いはありません。
そのため、わずか年間0.11%の差ですが、少しでも有利に運用したいのであれば、日経平均連動型ではなく、トピックス連動型を選んだ方がいいでしょう。

<トピックス連動型ETFの一例 2014年8月現在>
名称 管理会社 信託報酬(年間)
TOPIX連動型上場投資信託 野村證券 0.155%
上場インデックスファンドTOPIX SMBC日興証券 0.088%