ページのまとめ
  • 財務や業績で株を選ぶ方法を、ファンダメンタルズ分析といい、株式投資の王道である
  • 業績が伸びていることが大切。赤字予想の会社は避ける
  • 株価の割安、割高を測れる便利な投資指標を使ってもよい

ファンダメンタルズ分析とは

会社の価値、すなわち業績や財務によって、選ぶ銘柄を絞り込むというのは、中長期の株式投資では、王道ともいえる方法です。

これは、「会社の将来の価値(正確には一株あたりの価値)と、現在の株価との差に注目して、将来の一株あたり価値よりも現在の株価の方が安くなっているなら、株価は上がるはず」という考え方をベースにしています。

この考え方で投資をするためには、会社の価値についての理解がなければなりません。会社の価値とは業績や財務など、決算書に表される数字です。

それらのデータを用いて、会社の将来の価値について分析するのが「ファンダメンタルズ分析」という方法です。「ファンダメンタルズ分析」については、実践編4「さらにくわしく企業を知る」全体でくわしく説明します。

ポイント1:業績が一定の伸び率以上に伸びている銘柄を選ぶ

決算書は、企業のホームページの「IR情報」といったページで見ることができます。しかし、決算書は書かれている分量も多く、読むには少し知識が必要です。そこで、決算書から株式投資に深いかかわりのある情報だけを抜き出してまとめたのが『会社四季報』です。

『会社四季報』では、売上高、営業利益、1株利益などの数字を確認します。そして、それらの数字が伸びている企業を、投資対象にするのが基本です。また、過去に、一時的に減少している年があっても、今期と来期、来来期の予想が伸びているのなら、大丈夫です。

SBI証券 会社四季報 画面
『会社四季報』では、売上高、営業利益、1株利益などの数字を確認

ただし、上場企業は基本的に優良企業なので、上記だとほとんどの企業があてはまります。そこで、たとえば、「営業利益が20%以上伸びている」などの「伸び率」を設定すると、数を絞り込むことができます。

<さらに銘柄を絞り込む方法 一例>
  • 売上高、営業利益、純利益の3つの項目をチェック
  • 上のそれぞれの項目が、3年連続(前々期、前期、今期予想)で伸びているかどうか
  • 来期の伸び率の予想が何パーセントか
    →10%以上なら良い、20%以上なら優秀、30%以上は超優秀

<来期の予想が赤字の会社は避ける>
一方、過去の数字は伸びていても、予想の数字が減っている会社は避けた方が無難です。とくに予想の利益がマイナス(赤字)になっている会社は、絶対に買ってはいけません。

会社予想、四季報予想共に来期の利益が赤字予想の銘柄は避けよう

ポイント2:投資指標の数字で絞る

決算書の数字をベースに、企業間の比較がしやすいように加工したものが投資指標と呼ばれる、各種の指標です。ファンダメンタルズ分析でよく使われる指標には、次のようなものがあります

<ファンダメンタルズ分析でよく使われる指標 一例>
  • PER(株価収益率):株価が、EPSの何倍になっているかを示す。利益から見た株価の割安、割高がわかる
  • PBR(株価純資産倍率):株価が、BPSの何倍になっているかを示す。資産から見た株価の割安、割高がわかる
  • ROE(株主資本利益率):株主資本に対する当期利益の割合を示す。会社の収益力がわかる

これらの指標を使って、例えば以下のよう数字を設定します。ただし、これらの数字は絶対的な基準ではありません。投資指標は、同業他社や業種平均と比較のために使うものだからです。

<指標を使って銘柄を絞り込む方法 一例>
  • 予想PERが15倍以下
  • PBRが1倍以下
  • 予想ROEが5%以上

それぞれの項目の意味については、PER「PERで「利益から見た割安、割高」がわかる」PBR「PBRで「資産から見た割安、割高」がわかる」ROE「ROEで企業の「収益力」がわかる」を参照してください。

<PERが100倍を超えるような銘柄は避ける>
PERやPBRといった数字は、相対評価(銘柄同士の比較)に使うもので、絶対的な基準ではありません。しかし、その数字が極端に高すぎたり低すぎたりするもの(たとえば、PERが100倍以上にもなっている銘柄)は、避けた方が無難です。

ファンダメンタルズも、「みんなの注目」は気にする

ファンダメンタルズの指標の内容自体は常に変わらない客観的なものですが、どの指標が「注目」されるのかは、その時々の流行のようなものがあります。

たとえば、2014年に入ってからは、ROE((株主資本利益率)、株主資本に対する当期利益の割合を示す。会社の収益力がわかる)が非常に強く注目されています。もともと、日本の株式市場ではROEはあまり重視されていなかったのですが、2014年1月から新しく登場した株価指数「JPX日経インデックス400」では、ROEが、組み入れ銘柄選定基準のひとつとして採用されました。さらに、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、同指数銘柄の資産を組み入れるようになることなどで、ROEが俄然注目されるようになったのです。

指標でも、自分が「この指標がこんなに低いのだから、株は上がるはず」と思っても、みんながそれに注目しなければ意味がありません。その意味では、いまどの指標に注目が集まっているのか、を気にするようにしましょう。

投資家インタビューに登場している立川さんは、増収、増益企業を選ぶなど、ファンダメンタルズの数字による絵銘柄選びをしています。