ページのまとめ
  • メディアに登場する評論家などの推奨が、株価を動かすこともある
  • 話し手が自分の持ち株を有利に売るために話している可能性に注意する
  • 同じ人の意見を継続してウォッチすることで学べることが多い

株価に影響がある人たち

人の話というのも、需給に影響を与えます。人の話といっても、友人の話といった意味ではなく、メディアなどに登場して、不特定多数を相手に株の話をしている人のことです。主に思いつくのは、(1)~(4)でしょうか。

  • (1)証券会社や投資顧問会社、研究所などのアナリスト (市場全体の動向などを分析する)
  • (2)株式評論家や株式アドバイザー (雑誌やWebサイトなどで銘柄を推奨)
  • (3)カリスマ投資家やブロガー (独自の視点から注目株や売買タイミングを示唆する)
  • (4)ネットの匿名掲示板やツイッターなどでの発言、うわさなど(基本的にポジショントークが多い)

繰り返し述べているように、株式市場は同じ銘柄に対して、同じ材料で、正反対の見方があるから成立しています(ストップ高、ストップ安のとき以外)。そのため、買いを推奨するにしろ、売りを推奨するにしろ、どちらか絶対に正しいということは、あり得ません。

しかし、「この評論家はよく当たる」という噂が広がると、その人が推奨する銘柄を、そのまま買う人が増えます(これを「提灯をつける」などといいます)。すると、需要が増えるわけですから、実際に上がる、ということになり、ますますその評論家の信用が高まるということになります。

自分の持ち株を有利に動かすポジショントークには注意

ただし、うがった見方をすれば、ポジショントークということもあります。ポジショントークとは、自分の持ち株を有利に動かすための話、です。たとえば、その人がある株をすでに持っていて、だいぶ上がってきており、そろそろ売りたい、そこで「この株はこれから○○円までは上がる」などと言い、それによって買い需要が集まったところで、売っておく、というようなやり方です。

とくに(4)のような、匿名メディアでの発言は、継続した検証ができないこともあり、注意が必要です。

匿名掲示板には、他の人が知らないような「お宝情報」が埋まっているのではないかと考える人もいるのですが、そのようなことはまずありません。もし、一般の人が知りえない(内部者しか知りえない)情報によって株の売買をすれば、インサイダー取引にという犯罪に該当します。

また根拠のないうわさやデマを意図的に流して、株価を動かそうとするのは、「風説の流布」という犯罪になります。

人の意見を参考にする場合のポイント

なお、銘柄や売買タイミングを推奨している人の話を参考にしたいときは、以下の2点は必ずチェックしましょう。

  • (1)過去にその人が推奨した銘柄の、その後の値動きを調べる。
    それをチェックしやすく整理したり、自分から公表したりしている人は、信頼できる可能性が高い
  • (2)さまざまな人の意見を参考にしない。
    もし考え方が気に入った評論家がいたら、しばらくはその人話だけを聞いて、追いかける

とくに、(2)は大切な点です。いわば、その人の弟子になるような気持ちで取り組み、方法を真似することで、得られるものもあるでしょう。それから、徐々に自分のオリジナルの見方、考え方を作っていけばよいのです。