ページのまとめ
  • 資金がなくなれば投資はできなくなるので、一番大切なことは資金をなくさないこと
  • 資金管理には「ポートフォリオ管理」と「リスク管理」の2つの面がある
  • 「ポートフォリオ」とは、資産の内容を分散投資で管理すること

資金がなくなれば投資はできない

投資で一番大切なことは、なんだと思いますか?

銘柄選びでしょうか?それとも、売買タイミングを見極めることでしょうか? もちろん、そういったことも大切には違いありません。しかし、一番ではありません。株に限らず、すべての投資において一番大切なことは「資金管理」です。

なぜなら、もし一度に資金がなくなってしまったら、そもそも投資をすること自体ができなくなるからです。しかしその一方、投資にはリスクがつきものです。そこで、資金を一度に減らさないような、資金管理が必要になるのです。

2つの資金管理

資金管理にもさまざまな面がありますが、投資を始める前から必要となる「ポートフォリオ管理」と、投資を始めた後の資金管理=「リスク管理」の2つに大別できます。

<2つのリスク管理>
  • ポートフォリオ管理:投資を始める前(準備段階)と、後(見直し)での資金管理
  • リスク管理:投資を始めた後での資金管理

どちらも、超一級の重要事項です。 リスク管理については、投資を始めた後の話なので、「投資でもっとも大切な資金管理(1)リスク管理の重要性」「投資でもっとも大切な資金管理(2)リスク管理の具体的なやり方」で説明することにします。ここでは、投資を始める前のポートフォリオ管理について説明します。

ポートフォリオ管理とは

ポートフォリオ管理とは、「投資資金は性格の異なる対象に分けて投資するほど、効率性と安全性が高まる」という考え方により、資金を分けて投資をすることです。学術的な理論もあるのですが、そこまで難しく考える必要はありません。資金を分散させておけば、安全かつ効率的に投資ができる、という理解でけっこうです。

これはよく、「卵を1つのカゴに盛るな」という言葉でたとえられます。10個の卵を1つのカゴに入れておくと、なにかの拍子にカゴが床に落ちてしまったら、卵は全部割れてダメになってしまいます。2つや3つのカゴにわけて入れておけば、1つのカゴが落ちても、残りは守られるということですね。

投資資金もこれと同じで、1つの対象にまとめて投資してしまうと、もしその対象が暴落したら、いきなり投資資金が減ってしまいます。

値動きの性格やリスク度合いの異なる、さまざまな対象に分けて投資することで、資金全体の値動きは穏やかなものとなります。つまり、急激な増減が防がれるのです。

分散投資 イメージ

このような方法は、単に「分散投資」と呼ばれることもありますし、あるいは「ポートフォリオ投資」などと呼ばれることもあります。ポートフォリオとは、もともとは、たくさんの書類をまとめておく書類ばさみのことですが、そこから、さまざまな異なる金融資産をまとめた資産全体のことを指すようになりました。

ポートフォリオ管理の2つの段階

ポートフォリオ管理は、2つの段階に分けて考えます。

(1)資産全体のポートフォリオ管理
資産全体の中で、どれくらいをリスク資産(株などの、元本が減る可能性がある資産)に振り当てるか。

(2)株式投資の中での管理
株式投資に振り当てる資金が決まったら、その中での銘柄の分散
2-1 規模、市場、業種など対象の分散
2-2 売買タイミングの分散
2-3 保有目的の分散

投資を始めるまえに考えておくのは(1)資産全体のポートフォリオ管理です。次の「投資資金の準備(2)保有資産全体のポートフォリオ管理」で説明します。

なお、(2)の株式投資の中での管理については、「投資でもっとも大切な資金管理(3)株の分散投資」で説明します。