ページのまとめ
  • 初心者はローソク足と移動平均線で株価の方向をつかむ
  • 移動平均線と、他の指標を組み合わせることで、より正確に株価の方向がわかる
  • 方向感をつかむためによく使われる指標には、MACD、一目均衡表、ボリンジャーバンドなどがある

ローソク足と移動平均線に慣れたら、他の指標にも挑戦してみよう

初心者のうちは、ローソク足と移動平均線でトレンドの方向や売買タイミングを判断できれば十分です。慣れてきたら、そのほかのテクニカル指標も利用すると精度がより高まることが期待できます。

ここからは、代表的な指標の中から初心者にも理解しやすいものを紹介していきます。これらの指標に特に優劣があるわけではないので、使いやすそう、あるいはわかりやすい、と感じたものから使っていくとよいでしょう。いずれの指標も証券会社のツールやウェブブサイトのチャートで表示できます。

まずは、トレンドの方向性をつかむための指標を紹介していきましょう。移動平均線以外にも多くの指標があるので、移動平均線だけでは確信を持てないといった場合でも、これらの指標を組み合わせて判断することでより正確にトレンドを把握できるようになるでしょう。

移動平均線の精度を高めた「MACD」

最初に紹介するのは、最近とても人気があるの、MACD(マックディー)という指標です。MACDは単純な移動平均線よりも直近の影響をより強く反映したラインで、一定期間の終値を単純に平均した移動平均線よりも精度が高いとされています。

MACDライン(図:オレンジ)とMACDシグナル(図:水色)という2本の線で構成され、双方のラインが右肩上がりだと上昇トレンド、右肩下がりだと下落トレンドと判断できます。

MACD(マックディー)
双方のラインが右肩上がりだと上昇トレンド、右肩下がりだと下落トレンド

MACDラインとシグナルでも、移動平均線と同様にゴールデンクロスとデッドクロスが出現するので、買いタイミングや売りタイミングの参考にできます。

MACDとシグナルでもゴールデンクロスとデッドクロスがある

日本生まれのテクニカル指標「一目均衡表」

一目均衡表<いちもくきんこうひょう>という指標も、とても人気があります。一目山人<いちもくさんじん>という日本の投資家が開発した指標で、転換線、基準線、先行スパン1、先行スパン2、遅行スパンという5本のラインで構成されます。

一目均衡表<いちもくきんこうひょう>

一目均衡表は非常に奥が深いテクニカル指標ですが、初心者のうちは各ラインの意味を理解するのが難しいので無理をする必要はありません。まずはわかりやすい「雲」をマスターしておくだけでも役立ちます。

わかりやすい「雲」をマスターしておくだけでも役立つ

縦ラインで示されているエリアは「雲」と呼ばれます。上昇トレンドでは下値サポートとして、この雲より下には下落しにくくなり、下落トレンドでは上値を抑える抵抗線として雲より上には上昇しにくくなっています。

それでも、下落トレンドにあった株価が厚い雲を突き抜けて上昇に転じたり、逆に上昇トレンドだったのに雲を抜けて下落したりすると、新しいトレンドに転換したと判断できます。雲と株価の関係は、見た目にもわかりやすいので覚えておくといいでしょう。雲は、チャートによっては色で塗られて表示されている場合もありますが、いずれにしろ線ではなく面なので、一目でわかるようになっています。

雲を突き抜けて上昇トレンド入り

見た目にもわかりやすいボリンジャーバンド

買われ過ぎや売られ過ぎを示す指標としては、ビジュアル的に理解しやすいボリンジャーバンドも人気があります。移動平均線を中心として上下にひかれるラインの中に、株価が収まる確率を示しています。

ボリンジャーバンド

通常移動平均線の上に+σ、+2σ、+3σ、下側に-σ、-2σ、-3σのラインがひかれますが、投資判断する際は、+2σと-2σのライン(上のチャートではオレンジと赤のライン)を見ておけば十分で、上のチャートのようにそもそも±2σのラインしか表示しないツールもあります。株価は95%以上の確率で±2σの間に収まるとされており、これを利用して買われ過ぎや売られ過ぎを判断できます。

+2σを超えて上昇すると買われ過ぎとなり、下落に転じるシグナル、-2σを超えて下落すると売られ過ぎとなり、上昇に転じるシグナルになります。ただし、大きなトレンドが発生している局面ではあまり機能しないことがあるので、注意しましょう。

株価は95%以上の確率で±2σの間に収まるとされており、これを利用して買われ過ぎや売られ過ぎを判断できる

また、株価が明確に上昇していたり、下落しているなど大きなトレンドが発生しているとボリンジャーバンドの幅は広がり(下の図オレンジの楕円部分)、値動きが少なく株価の方向性が定まらない相場では幅が狭く、平行に近くなることもあります(緑の楕円部分)。

トレンドが発生の有無で縦幅に違いが出る

ボリンジャーバンドが狭くなっているとトレンドがなく、一定の範囲内で行ったり来たりと上下を繰り返すボックス相場であることを示しています。この場合、株価が+2σに到達したら売り、-2σに到達したら買いという取引を繰り返す戦略が有効です。

株価が+2σに到達したら売り、-2σに到達したら買いが有効

ボリンジャーバンドの幅が広がってきたり、±2σを上に超えたり、下を突き抜けてくると、ボックス相場が終了するサインです。抜けた方向へとトレンドが発生するシグナルとなります。

ボックス相場が終了するサイン

投資家インタビューで登場する「かぶうささん」は、値動きが激しくて利益があげられそうな銘柄かどうかを確認するために、このボリンジャーバンドを使っています。