ページのまとめ
  • 通常の指値と反対に、今の株価より高く買う、安く売るのが逆指値注文
  • 株価が上昇を始めたタイミングを逃さず買うために使う
  • 持ち株が下落トレンドになったとき、確実に損切りを実行するためにも使う

逆指値<ぎゃくさしね>注文とは

7600円で買った株の株価が7700円以上に上昇したら、そのときに売りたい。あるいは、いまの値段が、7500円の株が7400円以下に株価が下落したら買いたい。そういった場合には、通常の指値注文を利用します。

逆指値<ぎゃくさしね>注文

ところが、逆指値はその「逆」の形をとる指値注文を指します。

たとえば、7600円で買った株が、7500円「以下」に株価が下落したら売りたい、あるいは、現在7500円の株が、7700円「以上」に株価が上昇したら買いたい、といった具合に、条件が通常の指値注文の逆になります。

つまり、「現在の価格より高くなったら買い、安くなった売り」という注文を出すのです。

一見すると、「不利」な注文をするように思えますが、この逆指値注文が有効となる場合は次のようなケースがあります。

逆指値注文が望ましい場合(1)株価の上昇に乗る場合

6月13日近辺のミクシーの株価は、やや上昇傾向にありますが、その後、上昇を続けるのか、下落に向かうのかわからない状態にありました。その一方で、一般的に株価は直近高値(現時点から一番近くにつけた、高い株価)を超えると、そのまま上昇することが比較的よく起こります。
この時点のミクシーは、直近高値の2996円を超えると、さらに株価は上がっていく可能性があることが予想できます。

ミクシー 株価 再上昇の始まり

このようなチャンスを捉えるのに、逆指値注文は有効です。たとえば、6月13日、株価は2778円の時点で、直近高値(2996円)を超えたところ(例:3050円)に逆指値買い注文を入れて、株価が3050円になったら買えるようにしておきます。その後、株価は直近高値(2996円)を超え上昇しました。逆指値注文が実行されて、3050円でこの株を買うことができました。

ちなみに、その後、ミクシィ株はどんどん上昇していき、8月には6000円を超えました。逆指値で買ってから2倍以上になったのです。もし逆指値注文で買っておかなければ、どんどん上がり続ける株価に、買いのチャンスを逃してしまうところでした。

とくに、昼間、株価を頻繁に見られない人は、翌日に注文するのでは、株価が騰がってしまい、チャンスを逃すことになります。こうしたチャンスを確実につかむのに、逆指値注文は向いています。

逆指値注文が望ましい場合(2)損切りを確実に行なう

銘柄によっては、株価が下落し始めると、なかなか元の株価に戻らないときがあります。たとえば、ミクシーは2007年11月、株価はいったん4200円になりましたが、その後、すぐ下落し、再上昇→大幅下落という激しい値動きをして2009年3月には742円まで下がりました。

逆指値注文が望ましい場合

買った株の株価が下がり、損が出ている状態を「含み損」といい、そのような株を売って、損を確定させることを「損切り」といいます。

損切りをすると、損が確定してしまいますが、株売買をするうえで、確実に損切りすることが大切です。たとえば、先のミクシーは2007年の12月の頭は株価が3900円でした。

ミクシーの株を4200円で100株買った場合、12月の時点で損切りができていれば、株価の下落は300円、損失は3万円で済みます。ところが、2009年3月、800円になったとき、いよいよ損切りをするとなると、株価の下落は3400円、損失は34万円にもなります。

  状況 購入・売却 損失額
2007年11月 100株購入 4200円×100株=計 42万円分 購入  
2007年12月 株価が先月より300円下がっている!損失に気付きながら損切できず・・・ 3900円×100株=39万円
*売却した場合
この時点ではまだ3万の損失
2009年3月 仕方なく損切 800円×100株=8万 円 34万円の損失!!

早く損切りをすることが重要ですが、なかなか決心がつかないときがあります。そのようなことが起こらないようにするためには、あらかじめ「株価がここまで下がったら売り(損切り)」と決め、逆指値注文を入れておくことが有効です。自動で損切りができます。

多くの株を持つ人に便利なバスケット注文

ここまで、逆指値注文について説明しましたが、特殊な注文方法には「バスケット(一括注文)」「W指値」など、証券会社によりさまざまな種類を用意しています。

バスケット注文というのはあらかじめ複数の注文を登録しておく注文方法を指します。市場が急変した場合(為替が円高に大きく振れる、日経平均株価が大きく下がるなど)、バスケット注文で迅速に利益確定や損切りができます。

たとえば、トヨタ、ホンダ技研、日産、スズキ、という4種類の株を持っているとします。その際に、「日経平均株価が14000円以下になったら、4種類全部成行で売る」というように、まとめて注文をしておけるの、バスケット注文です。

4種類くらいであれば、個別に損切や利益確定の注文をしても、それほど手間ではないかもしれません。しかし、十種類以上の銘柄を持っているような人は、市場が急変したときに、ひとつひとつ注文を出したり、取消したりするのは、たいへんな手間になります。そういう際に有効なのがこのバスケット注文です。

利益も損失も予定通りにできるW指値注文

W指値注文というのは、株価がいくらになったら利益確定売り、逆に下がったらいくらで損切りというように、上下、株価の変動に対応して、指値注文する方法をいいます。

たとえば、現在、持ち株の株価が7600円だとします。W指値注文では、7700円で利益確定の指値売り注文と、7500円での損切りの逆指値注文を同時に出すことができます。

その後、株価が上がって、7700円を超えれば、売り注文が実行され、100円の利益が確定します。また、逆に株価が下がって7500円を下回れば、やはり売り注文が実行され、100円の損失が確定します(損切りです)。つまり、W指値注文を出しておけば、株価がどう動いても、利益も損失も予定の範囲内に収めることができるのです。

注文方法のバラエティは、マネックス証券とカブドットコム証券が豊富。多くの銘柄を保有・管理して、頻繁に売買を繰り返すような人には、ありがたい。

<注文方法別 証券会社比較一覧>
  指値注文 成行注文 逆指値注文 バスケット注文 W指値注文
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