ページのまとめ
  • 最初の売買の目的は買いから売りまでを体験すること
  • 銘柄はスクリーニングで絞り込む
  • 3~6か月は投資ノートに株価を記録して購入タイミングをはかる

最初の売買の目的は一連のプロセスを経験すること

実際に株を買ってみましょう。最初から数回目までの売買の目的は、「株を買って、売って、損益を確定する」という一連のプロセスを体験することです。

最初に株を買う時、「1回買って、それですぐに儲かる」というような、宝くじを買うような考え方は捨てましょう。いまは、長い投資生活をスタートするための基礎を固める段階です。基礎練習のような気持ちで取り組むことが必要です。

しかし「練習」とはいっても、シミュレーションのようなものではなく、実際にお金を投資、損益が出るものですから、真剣に取り組まなければなりません。

最初の銘柄選び

では、どんな株を買えばいいのでしょうか。 あくまで売買のプロセスを経験することが目的なので、買う銘柄は極端にいえば何でもいいのですが、倒産などの危険があったり、値動きが極端で売買がやりにくかったりする銘柄は避けたほうがいいでしょう。

また、購入予算は人それぞれだと思いますが、迷うであればまずは購入価格10万円以下の銘柄で、下記のような条件にあてはまる銘柄を選べば、危険性は低いでしょう。もし、10万円が難しいようであれば、5万円程度までで予算に応じて限定してください。

<危険性は低いであろう銘柄の条件>
  • 東証1部上場銘柄(ジャスダックやマザーズは不可)
  • 今期予想も含めた3年間(前々期、前期、今期予想)の売上高、営業利益、一株利益が伸びている
  • この1か月間で、株価が急上昇、急下降していない(25日移動平均かい離率がプラスマイナス20%を超えていない)
  • 株式投資資金の20~30%程度までの資金で買える株価
  • 最低でも、毎日10~20万株以上程度の出来高がある(株価が1000円なら、1億円程度以上の売買高がある)
  • できれば、業務の内容に興味が持てる(仕事や趣味に関連する業務など)

これらの条件に合う銘柄から、1社~3、4社程度の候補を選びます。複数の候補を選ぶ場合は、同業から選んだ方が、関連する情報を絞り込めるのでよいと思います。たとえば、セブン&アイホールディングスとローソンだとか、トヨタ自動車と日産自動車などです。

具体的な銘柄選びのプロセス

銘柄選びは、ネット証券のスクリーニング機能で候補をふるいにかけて、その中から選ぶといいでしょう。
スクリーニング機能は証券会社によって選択できる項目などが異なりますが、ここではSBI証券を例に説明します。

<SBI証券 スクリーニング機能の手順>
  • 市場は、「東証1部」を選びます
  • 業種は自分の関心のある業種を選べばいいですが、なければ、「指定しない」でもかまいません。ただしSBI証券の場合、業種を指定しないにすると、ETFも検索されてしまうので注意しましょう
  • 「投資金額」は、自分の投資金額にあわせて上限を設定します
  • 「今期経常利益変化率」は、最小値を1にします
  • 「1日平均売買代金の最小値」を50(5億円)にします。
    株価が500円であれば、10万株の出来高です
  • 「25日移動平均線からの乖離率」の最小値を-20、最大値を20にします
SBI証券 スクリーニング画面

以上の設定で「検索実行」をすると候補銘柄が表示されます。SBI証券の場合、候補の表示数は最大200件です。200件以上あっても、200件しか表示されません。もし「検索結果」が200件になっていたら条件を厳しくして絞り込みをやりなおしましょう。

SBI証券 スクリーニング結果画面

候補銘柄が表示されたら、その中から興味のある銘柄をクリックして、銘柄の詳細画面を開きます。そして、詳細画面の「四季報」をチェックします。

「四季報」の「財務状況」で、過去2年と今期予想の売上高、営業利益、一株利益が伸びているかどうかを確認します。予想は会社予想と四季報の編集部予想があるので、両方をあわせてチェックします。

SBI証券 四季報画面 財務状態
過去2年と今期予想の売上高、営業利益、一株利益が伸びているかどうかを確認

「企業概要」で編集部コメント欄を確認します。できれば、企業Webサイトから最新の決算短信をダウンロードして、事業概要を確認し、興味が持てそうであれば候補銘柄にするといいでしょう。決算短信については「決算に関するさまざまな情報の種類」「損益計算書の基本的な読み方」などの項目で説明しています。

SBI証券 ビックカメラ 四季報 企業概要

なお、「初心者へのおすすめ投資(1)株式市場全体の波に乗る」で述べたように、「市場全体の大きな波に乗る」というやり方をしたい場合、それにあわせて銘柄選びも市場全体の波に乗れるような銘柄でなければなりません。

その方法は2つあり、1つはETFを購入すること、もうひとつは市場との連動性が高い銘柄を購入する方法です。それぞれ、「市場全体の波に乗るための銘柄選び(1)ETF」「市場全体の波に乗るための銘柄選び(2)ベータ値の利用」で説明します。

銘柄を選んだ後は、株価やニュースを投資ノートに記録していく

候補銘柄をピックアップしたら、投資ノートに毎日の株価やニュースのメモを記録していきます。しばらく、値動きを記録していくと、上がる場合も、下がる場合もあるでしょう。

意識するのは株価の波の向きが、上向きか、下向きかという「傾向」です。この傾向のことを「トレンド」と呼びます。株価を毎日記録していくことで、トレンドの感覚が見えてきます。またニュースなどの材料に対して、株価がどんな動きをするのかも、パターンがつかめてきます。

昔から、株価の波は3か月でひとまわりと言われることが多いため、3か月から6か月程度の記録を続けていけば、なんとなく上下の波が感じられるようになってくるでしょう。